夢の彼方
「優奈、日本のマスコミから取材の申し込みが来てるんだけど―――」


そう言って部屋に入って来たレジーは、なぜかちょっと困ったような微妙な顔をしていた。


「日本から?わたしに?」


「ああ。来月から日本でも今シーズンのドラマが放映されることになって、それに日本人の女優が出てるっていうことで取材したいって言うんだけど―――」


「どうかした?」


「向こうからのいくつかの質問に―――優奈のプロフィールを聞いてもいいかってのがあるんだよ」


「プロフィール?」


わたしは首を傾げた。


それが何か問題があるんだろうか?


「優奈―――こっちに来てから、プロフィールを作った記憶がある?」


「え?ええと・・・・・確か、来てすぐに撮影所に連れていかれて―――終わってから、プロフィール作るって・・・・写真を撮ったでしょ?それから―――」


「そう、それからその途中でまたスティーブンに呼び戻されて、撮影所に行って―――翌日は、確か休みだっただろう」


「そう―――だった。じゃあ、プロフィールって」


「これ、見てごらん」


そう言ってレジーがわたしの前に置いた冊子。


そして開かれたそのページには、あの日に撮ったわたしの写真が。


だけどその下―――


名前の欄以外の場所は、全て空白だったのだ―――。
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