夢の彼方
「ご・・・・ごめんなさい・・・・本当に・・・・・」
振り向くと、小木さんは美鈴ちゃんを抱きしめながら、涙を流していた。
義姉が殴りかかろうとするのを見て、咄嗟に娘を守ろうとしたのだろう。
わたしは、小木さんの腕の中でキョトンとしている美鈴ちゃんの頭をそっと撫でた。
「―――疲れているんじゃ、ないですか?」
わたしの言葉に、小木さんは少し驚いたようにわたしを見上げた。
「立ち入ったことを聞くようですけど―――ご主人は・・・・?」
わたしの言葉に、小木さんは辛そうに眼を伏せた。
「あの―――離婚したんです。この子が生まれてすぐに。今は実家で働いてるんですけど・・・うちは父が早くに亡くなって、母も今老人ホームにいるものですから―――」
「じゃあ、1人で?ご兄弟は?」
その問いに、小木さんは首を振った。
「昼も夜も働いて―――何とか2人で暮らしてます。こんなこと、言い訳にしかなりませんけど―――」
涙を流しながら話す小木さんの手を、わたしはそっと握った。
とても細い、力のない手だった。
「あなたのせいじゃ、ありません」
振り向くと、小木さんは美鈴ちゃんを抱きしめながら、涙を流していた。
義姉が殴りかかろうとするのを見て、咄嗟に娘を守ろうとしたのだろう。
わたしは、小木さんの腕の中でキョトンとしている美鈴ちゃんの頭をそっと撫でた。
「―――疲れているんじゃ、ないですか?」
わたしの言葉に、小木さんは少し驚いたようにわたしを見上げた。
「立ち入ったことを聞くようですけど―――ご主人は・・・・?」
わたしの言葉に、小木さんは辛そうに眼を伏せた。
「あの―――離婚したんです。この子が生まれてすぐに。今は実家で働いてるんですけど・・・うちは父が早くに亡くなって、母も今老人ホームにいるものですから―――」
「じゃあ、1人で?ご兄弟は?」
その問いに、小木さんは首を振った。
「昼も夜も働いて―――何とか2人で暮らしてます。こんなこと、言い訳にしかなりませんけど―――」
涙を流しながら話す小木さんの手を、わたしはそっと握った。
とても細い、力のない手だった。
「あなたのせいじゃ、ありません」