夢の彼方
「―――あの後、千鶴から話を聞いたんだ。千鶴が、お前に言ったこと―――」


「そう」


『わたしからあの人を奪わないで―――』


わたしにそう言った千鶴さん。


元々、わたしにはそんなつもりはなかったけれど。


その時の千鶴さんのことを思い出すと、今でも胸が痛くなる。


それほどまで、彼女のことを傷つけてしまっていたんだと思うと―――


あの後、どうなったんだろうと、気になってはいたのだけれど。


でも、わたしから連絡するのはやっぱり良くない気がして。


「ごめん。俺のせいで、ずいぶんいやな思いをさせたんじゃないかって思って―――」


「そんなこと、ないよ。わたしのなんて―――千鶴さんの想いに比べたら。千鶴さんは―――」


「元気だよ。実は―――子供ができたんだ。今、5カ月目で―――」


「本当に?おめでとう!」


わたしの言葉に、タケル君も嬉しそうに微笑んだ。
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