夢の彼方
「死んだりしない。その気持ちだけは、嘘じゃない。でも―――もし信次さんがあんな風に昼も夜も働いたりしてなかったら、死ぬこともなかったかもしれないって思ったら―――わたしだけがのうのうと生きていていいのかなって・・・・そんな風に思っちゃうんだよ・・・・・」


どうしても消えないその思い。


どうしたらいいのか、私自身にもわからないのだ・・・・・。


その日の夜、わたしは渡辺と田口に連絡し、明日からは仕事の手伝いはいらないということを伝えた。


2人とも、無理に結婚を迫ったりはしないからと言っていたけれど、それでももう関わりたくはなかった。


渡辺にはタケル君とのことをしつこく聞かれたけれど、友達だということ以外にいえることはなかったので、ただそう繰り返すしかなかった。


そして仕事をどうするか。


今のウェブショップをこのまま続けたいという気持ちもあったが、やっぱり1人でやっていくのは無理があるように思えた。


でも子供たちが言うように、昼も夜も働かなければならないとなると、体力的にも不安があったし、何より子供を家に残して夜ずっと働くのは、防犯の意味でも心配だった。


そんなことを考えながら夜を明かし―――


翌日子供たちを学校へ送り出してから、仕事の準備をしていると、そこへタケル君がやってきたのだった・・・・・。
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