夢の彼方
子供たちを連れ、千葉の実家に向かう。


「何か手伝えることがあるかもしれないから」


そう言って、タケル君もついて来てくれていた。


自分よりも先に逝くのは、予想していたことだ。


それでも、こうして母の死に直面すると、すぐには受け止めることができないのが現実だった。


65歳だった母。


体が弱っていたとはいえ、死ぬには早すぎる。


もうすぐ夏休み。


そうしたら、子供を連れて遊びに行くつもりだったのに。


その思いは子供たちも同じだったようで。


休みのたびに泊まりに行っていた千葉の家は、子供たちにとって、たくさんの楽しみが待っている家だったのだ。


「ばあばに、お話したいこと、いっぱいあったのに―――」


里菜が涙を流しながらそう言うのを、わたしはただ聞いてあげることしかできなかった。


子供たちの涙を、止める方法をわたしは知らなかったから・・・・・


兄夫婦が母の通夜を取り仕切る中、わたしは弔問者の接待に走り回っていた。


里菜や紗菜も手伝ってくれる。


2人とも、動いている方が気が紛れるのだろう。


そして瑠加も兄夫婦の子、優貴ちゃんの遊び相手をしてくれたりしてくれていた。


そうしてお通夜に訪れる弔問者も少なくなってきたころ。


そこに、義母と義姉が姿を現したのだった・・・・・。
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