夢の彼方
この町はコスプレ姿で歩いている人たちはたくさんいる。


だから、それほど珍しい光景でもないはずなのだけれど。


親子4人でコスプレしている、というのはやっぱり珍しいのかもしれない。


「すいません、写真撮らせてください!」


なんて声をかけてくる人がいたり、じろじろ見ていく人がいたり、黙って写メを撮っていく人もいて。


気付くと、かなりの注目を集めていたのだった。


そしてその日のブログにその出来事を書くとまたすぐに反応が。


『見たかった!』


『今度秋葉に行きますので、ぜひまたやってください!』


なんていう書き込みがあり。


調子に乗ったわたしたちは、また週末になると、4人で秋葉原に出かけたのだった・・・。


仕事もせずにこんなことばっかりしてる場合じゃない。


そうは思うのだけれど。


楽しくて。


もう少し、この世界を堪能してみたい。


そんな風に思っていた。


もう少ししたら仕事も始めよう。


そう思いながらも、元の仕事をまたやるかどうか悩んでいた。


そんなある日。


いつものように4人でコスプレをして秋葉原の街を歩いていた。
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