夢の彼方
「そうだ!あなたも一緒に行きましょう!」


「は?」


「それがいい!レジ―、すぐに車を」


その言葉に、レジ―と呼ばれた隣の男が溜息をついた。


『またそんなわがままを―――』


『いいから、早く!彼女と一緒でなければわたしは行かないぞ』


ルークの強い口調に、レジーは肩をすくめ、胸ポケットから携帯電話を取り出したのだった・・・・・。


そこへ入り込んできたのは黒塗りのベンツだった。


横この細い道へ入れたものだと感心していたけれど―――


「どうぞ、乗ってください」


ルークはにっこりと微笑むと運転手が開けた後部座席の前で、わたしたちを促すように微笑んだ。


「あ、あの、わたしたちはその、これから用事が―――」


わたしは後ろに立っていた子供たちを庇うように後ずさると、そう言った。


「大丈夫、わたしは怪しいものじゃありません。プラチナミュージックプロモーションという名前をご存じないですか?」


「プラチナ・・・ミュージック・・・・・?」


どこかで、聞いたことがある。


ミュージックプロモーション・・・・


そうだ、確か、テレビで―――
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