夢の彼方
確か―――


「これから、僕の会社のアーティストのコンサートがあります。彼らに、あなたのことを紹介しますよ」


そう言って、ルークはレジーから何かを受け取るとわたしの方に差し出して見せた。


それは何かのパンフレットで―――


「これ―――」


わたしは驚きに目を見開いた。


そのパンフレットの表紙は、アメリカでいま最も売れているという評判の、ロックグループの写真だったのだ・・・・・。


プラチナミュージックプロモーションの社長？


この人が？


わたしは信じられない思いで、目の前の金髪の男を見ていた。


30代かと思ったけど、どうやらもう少し上らしい。


40代半ばくらいか・・・・


車の中でレジーと話している様子は落ち着いていて、さすがの風格が感じられた。


「正確には、『プラチナキングス』という会社の社長をやってます。プラチナミュージックはその子会社で・・・・この、『anys』のおかげで大分盛り上がってきたけれど、もともとは俳優の育成に力を入れていた芸能プロダクションなんですよ」


「はあ・・・・・」


「anysが売れたおかげで、今や子会社の方が有名になりつつあるけど―――僕としては映画やドラマで活躍してくれるような俳優をもっと育てていきたいと思ってるんですよ」


にこにこしながらそう話すルークの瞳はキラキラしていて、夢を話す少年のようだと思った。
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