過去作品集○中編

私は吉見を選んだ。
吉見を好きになると決めた。

あんなに私を想ってくれる人は、吉見以外にいないと思ったから……






『俺たち付き合うことになりました』

次の日、吉見は嫌がる私を強引に連れて、友達に紹介をした。

同じクラスの人や、私は親しくない隣のクラスの人。

吉見は、本当に嬉しそうに皆に話をした。

『吉見って、友達多いんだね』

前から思っていて、今日また再確認した事を口に出す。

『うん。 馬鹿な奴ばっかだけど、大好きなんだぁ』

女の子にモテる人は大抵、男の子から良く思われない。
だから誠は、敵が多かった。

それなのに吉見は、凄い。
女の子は勿論だけど、男の子にも好かれてるなんて。

理由はわからないけど、吉見の人の良さがそうさせてるんだろうな……





『夏乃、吉見から聞いたよ~』

教室に行くと、千里がガバッと抱き着いてきた。

『ついに吉見とカレカノなんだね! おめでとう』

まるで自分の事のように、満面の笑みで喜ぶ千里。

吉見の奴……
千里には、私から言いたかったのに。

『吉見は夏乃が好きって予想、間違ってなかったでしょ?』

そうだ。
確か千里が最初に言い出したんだ。

私って鈍いなぁ……
吉見が私をなんて、全く気付かなかったよ……

『あ、彼氏登場~』

と、千里がふざけたように教室の入口を指差した。

そこには、男友達数人と話しながら入ってくる吉見の姿が。

『吉見っ! 夏乃を泣かせたら、この私が許さないからねー!』

って、勘弁してよ千里!
クラス中の人が見てるよ……
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