過去作品集○中編

授業中も隣。
放課も隣。

帰りも、隣に並びながら帰る。

ずっと隣にいてくれたらいいな……
自然と、そう思うようになってきた。


そんなある日だった。

『吉見? ……と、千里だ』

朝、登校してきた私の前に、2人の姿があった。

2人は並んで廊下を歩き、私には気付かないようだ。

こちらからも声をかけちゃいけないような、険悪なムード。

一体、何だろう……






それから10分くらいして、千里が先、吉見が後というように時間をずらして帰ってきた。

ってか、怪し過ぎでしょ。

『おはよ。 どっか行ってたの?』

何食わぬ顔で隣に座る吉見に、そう尋ねる。

『トイレ』

『……トイレ?』

千里と一緒にいたじゃん。
トイレとか有り得ないじゃん。

『夏乃、何怒ってんの?』

何って……
マジで怒ってるわけじゃないんだけどさぁ……

『夏ぁー乃ちゃん』

『……何よ』

『俺、夏乃が好き』

……って!?
何をいきなり!!

『だから、ずっと俺の事好きでいてね?』

にこーっと柔らかく笑う吉見に、さっきまでの苛立ちが薄れてく。

『吉見の馬鹿……』

私だって、好きだっつーの。
< 109 / 120 >

この作品をシェア

pagetop