紙ヒコーキ~君に届け


授業も終わり、HR。

いつものように俺はプリントを折り
紙飛行機を投げた。


「あ…」


まさかの、紙飛行機は上手く飛ばず落ちてしまった。


最悪だ。


落ちた紙飛行機を見ていると誰かが歩いてきて、その紙飛行機を拾った。


「あ?誰?」


その人はこっちに振り向く

女の人だよな?

ん?あの子…見たことあるような


「……あ!」


今朝の女じゃねぇかよっ


「んじゃ気を付けて帰れよ」


やっさんがいつもの如く教室から出て行く。


「流星~。今日もゲーセっ…」


「わりっ!また今度なっ」


裕弥の誘いを断って急いで紙飛行機の落ちた場所に走った。


「あの女は…?」


紙飛行機の落ちた場所から少し離れた場所に、その人はいた。


「あ、あの…」


その人は振り向いた。

その時俺は、初めてその人をまともに見た。

髪はサラサラのセミロング
顔は整っていて背は俺より少し小さいくらい。


「またアンタ?」


あ?何だコイツ
態度でかすぎだろ…
顔に似合わずって奴か?


「それ、返してくんね?」


俺は女の手にある紙飛行機を取ろうと手を伸ばした
すると女は微笑んだかと思うと空に向かって紙飛行機を投げた。


「おまっ…何すんだよ!?」


「こうしたかったんでしょ?」


確かにそれは一理あるけど…
俺が投げねぇと意味が無いんだよ。


「はぁ…もういい」


呆れて帰ろうと門に向かって足を動かす。


「待ってよ」


「あ?」


まだ何か俺に用あんのかよ?
若干イライラしてきた。

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