眠る心
「なぎちゃん

 どうかした?」

「ううん、何でもない
 
 ・・・何でもないよ」

私は、紫季から離れて
窓の外を見つめた。

辺りは、いつの間にか
暗くなっていた。

私を後ろから抱きしめる
紫季先生に驚いた

私の口から出た言葉・・・

「いやっ・・・
 
 ごめんなさい
 私、驚いてしまって」

振り返る私の唇に紫季は
キスをしようとした。

そう、柊雨さんが
私にしたように・・・

私は、咄嗟に口元を
手で隠していた。

貴方は、私を抱き寄せる。

「しき、ごめん・・・」

「なぎ、今夜は
 ここに泊まろう」
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