眠る心
「どうかしたの?
 なっちゃん

 あれっ
 しゅうちゃんは?」

寝室のドアの方を指差し
顔を赤く染める凪子。
  
気がついた繭子は微笑む。

「なっちゃん、よかったね」

ところが、凪子の表情は
曇っていた。
  
その左手に持つ携帯電話には
紫季からの短いメールが・・

『仕事が終わったら
 すぐに迎えに行くよ』

今日から一緒に暮らすはず
だった紫季の気持ちを考える
と、柊雨との愛を確認して
幸せな思いに浸っている時
では無い。
 
凪子は紫季の事を思い、今度は
紫季を傷つけてしまうことに
深く苦しんでいる。

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