眠る心
夜遅くタクシーが病院横に
停車する。
  
タクシーから花を片手に
柊雨が降り立つ。
  
凪子のいる病室へと向かう
足取りは早い。
  
病棟の外で、柊雨が訪れるのを
待っていた繭子は手を振る。
 
「しゅうちゃん
 
 おかえりなさい」
  
「ただいま」

繭子は、主治医の先生が
院長に頼んでくれたおかげで
面会時間が過ぎている今、凪子
に会う事ができる事実を伝え
病室へと向かう道を案内する。
  
病室の前で待つ紫季に
一礼する繭子。

「しゅうちゃん
 彼が主治医の先生で・・・」
  
「はじめまして
 
 桐島紫季です」

「はじめまして、新堂柊雨です
 
 なぎが
 大変お世話になっています」
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