眠る心
紫季は実物の柊雨の姿を見て
緊張した故に、つい口が
滑ってしまう。

「本物だぁ・・・あっ
 失礼な事をすみません」

「いえ、本物です」

柊雨と紫季は、お互いに少年
のような笑みを浮かべる。
  
紫季は病室の外で待機して
何ごともないようならば
席を外れる事にする。

「なぎさんが辛そうな場合は
 入室させて頂きます」

「よろしくお願いします」

凪子が記憶を思い出すのか

それとも柊雨を拒むのか
  
何が起こるのか……
  
不安な気持ちの中、病室の
ドアを開ける繭子。
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