眠る心
私は目を閉じる

頭の中には、男女が
話をしている情景が甦る。
   
女性は私

男性が私のすぐ傍にいる。

彼の方を見て、私は微笑む。
   
彼の顔は逆光で見えない。
  
彼は・・・彼は・・・

彼は・・・誰なの?

「見えない
 彼は誰なの・・・見えない
 彼が見えない

 どうして
 彼だけが見えないの・・?」

「なぎ」

柊雨は、凪子を
抱きしめようとする。

「やめて」
< 36 / 236 >

この作品をシェア

pagetop