眠る心
しかし、柊雨は凪子の言葉に
動じず、彼女をその腕に
抱きしめる。
   
病室の外、凪子の取り乱した
声に慌ててドアを開けた紫季は
柊雨が凪子を強く抱きしめる姿
を見て、ひどく動揺する。
   
私は錯乱する・・・

ヒドい頭痛がして

頭を抱え込む。
   
そんな、私を強く抱きしめて
頭を撫でてくれる

大きな、やさしい手。

「大丈夫・・・大丈夫
 なぎ、大丈夫だから」

彼の胸の中で、私は意識を失う

彼の腕の中、私は安心する。
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