甘い声で囁いて

あんたバカじゃないの?ぼそっと呟いた言葉..この人に多分聞こえてるよ
美羽ちゃん。


「今日はさ、君達にバージョンアップした俺の姿を見て欲しくて参上したのさ」


この人ってこんな寒いキャラだったかしら..?


「別に何処もバージョンアップなんかしてないと思いますけど?」


そう言いながらキョロキョロと先輩の周りを見る。


「チ、これだから..いいかい?この世の女の子は全て俺のモノ」


そして何たる気持ち悪さ..


ギネス級じゃない?


「あのぉ、言っておきますが。あたし達、先輩の事そんなにカッコいいだなんて思ってないですよ?」

思わずぽろっと出てしまったのはこれ以上一緒にいたくなかったからだ。


「そうそう、それにこの子。この前のイケメンさんにゾッコンですから!」


「ちょっ!!!美羽ちゃん!!」


「何よ~本当の事でしょ~~?」


「だから好きとかそういうんでは..っ」


「ううん、白状しちゃいなよ。あんたはあの人が好きなのよ」
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