幼なじみは年の差7歳【完全版】
…聞こえたけれど、聞こえなかったフリしよう。
そうしよう。
そうしようと、思ったんだけれど…やっぱり気になって頭から離れない。
「…冬馬兄ちゃんって、誰かと付き合ったことあったんだ」
思わず言ってしまった。
冬馬兄ちゃんは少し考えた後、口元を隠すように手をやり、小さく言った。
「まぁ、人並みにはある…かな」
………。
私、聞いてない。
冬馬兄ちゃんが誰かと付き合ってたとかそんな話、聞いてない。
「私、今初めて聞いたんだけど」
「そりゃあ…言ってないもん」
…いつも私が一番近くに居たと思ったのに、違ったんだ。
いつも私の隣に居てくれていたと思っていたのに。
冬馬兄ちゃんは言いにくそうにしながらも言葉を続ける。
「…高校の時とか、社会人になってからとか…何度か告白されて、付き合ってた」
…そっか。
冬馬兄ちゃん、カッコいいもん、モテるよね。
冬馬兄ちゃんが学校で誰と話してたなんか知らなかったし、社会人になってからだって…私、何も知らないもん。
当たり前と言えば当たり前だよね…。