幼なじみは年の差7歳【完全版】
「…5分53秒の遅刻」
図書館の入り口。深々と帽子をかぶった良明くんが腕時計に目をやり呟く。
その顔を上げ、目が合った瞬間――。
心臓がドクンッと音を立てた。
「美和ちゃん、おはよ」
「あ…おは、よ」
良明くんは変わらない笑顔を見せるんだけど…いつもとは明らかに雰囲気が違う。
「良明くんって…眼鏡かけるんだ…」
私の知らない良明くん。眼鏡をかける良明くんが笑ってる。
「あれ、意外だった?」
「うん。良明くんは目が悪いイメージって無いもん」
付き合ってた頃は一度も見たことが無い。
意外な姿に鼓動が高まる。
「…ねぇ、早く入ろ」
と、麻実ちゃんが私たちの間を抜ける。
「美和、ちょっといい?」
「え、あ…うん」
「良明、先に席取ってて」
麻実ちゃんに強い力で手を引かれ、図書館の中へと入る。
良明くんは空いている席へと向かい、私たちは女子トイレ。
小さなため息の後、麻実ちゃんが私を見た。