幼なじみは年の差7歳【完全版】


「…5分53秒の遅刻」


図書館の入り口。深々と帽子をかぶった良明くんが腕時計に目をやり呟く。
その顔を上げ、目が合った瞬間――。
心臓がドクンッと音を立てた。


「美和ちゃん、おはよ」

「あ…おは、よ」


良明くんは変わらない笑顔を見せるんだけど…いつもとは明らかに雰囲気が違う。


「良明くんって…眼鏡かけるんだ…」


私の知らない良明くん。眼鏡をかける良明くんが笑ってる。


「あれ、意外だった?」

「うん。良明くんは目が悪いイメージって無いもん」


付き合ってた頃は一度も見たことが無い。
意外な姿に鼓動が高まる。


「…ねぇ、早く入ろ」


と、麻実ちゃんが私たちの間を抜ける。


「美和、ちょっといい?」

「え、あ…うん」

「良明、先に席取ってて」


麻実ちゃんに強い力で手を引かれ、図書館の中へと入る。
良明くんは空いている席へと向かい、私たちは女子トイレ。

小さなため息の後、麻実ちゃんが私を見た。
< 151 / 278 >

この作品をシェア

pagetop