幼なじみは年の差7歳【完全版】
私が相談したことを心配しての言葉。
…そう言えば私、冬馬兄ちゃんと連絡を取ってない。
昨日の夜から今日のこの時間まで、冬馬兄ちゃんからの連絡も無い。
「…過去は変えられないってわかってるんだけど、やっぱり気になっちゃうかも…。
私の知らない冬馬兄ちゃんを知ってる人が居るって思うと、なんかこう、モヤモヤする」
上手く言えないけれど、多分、一言で言えば元カノに対する嫉妬…。
「…めんどくさい女って思われるよね、私」
過去のことをネチネチと言うつもりは無い。
だけど…勝手に比べて、勝手にへこんで、勝手に泣いてしまうかもしれない。
「――なんの話?」
「わっ…」
良明くんっ…。
いつの間にか、少し息を切らした良明くんが私たちの前に立っていた。
「は、早かったね…」
「まぁ、ちょっと片付けてきただけだから。
で、めんどくさい女って?美和ちゃんが?」
向かい側に座る麻実ちゃんを奥に行くよう促し、良明くんも向かい側に座る。
それから、麻実ちゃんのドリンクをほとんど飲み干してしまう。
「ちょっと…それ私の」
「いいじゃん減るもんじゃないし」
「いや、減ってるから」
いつものようにやり取りをする二人。
だけど良明くんは、真っ直ぐに私を見てもう一度呟いた。
「で、なんの話をしてるの?
俺には言えないこと?」
「…言えないってことも、ないけれど…」
「じゃあ話して」
…正直、言いにくい話だ。
だけど良明くんは「話して」と言ったきり黙ったままだ。
「…冬馬兄ちゃんの過去を知って、少し混乱してる」
凄く小さな声で言った私に、良明くんもまた小さく返事をした。