幼なじみは年の差7歳【完全版】
二人はずっと何かしら話をしている。
注文した物が届いた後も、食事をしている最中も。
(良い感じ…に見えるけど、ずっと文句の言い合いだなぁ)
麻実ちゃんは良明くんのこと、「好き」って言ったけど…全然そんな風に見えないし、見せてない。
少し仲の良い男友達と話しているだけ、と周りは思うはず。
私も麻実ちゃんの気持ちを聞いていなかったらそう思うよ、絶対。
「…ちょっとトイレ行ってくるね」
一通り食べ終えた時、麻実ちゃんが言った。
当然の流れで、良明くんが立ち上がって通してあげる。
その後、良明くんは座席の奥まで行って私を見た。
「ごめんね、なんか俺らばっか話しちゃって」
「あ、ううん。楽しいよ」
私が笑うと良明くんも笑う。
凄く優しい顔。麻実ちゃんと話す時には見せない、顔…。
「…良明くん、あのね。
ごめんね、私…麻実ちゃんに聞いたんだけど…“好きになってもらえるよう努力する”って言ったんだよね?
良明くんはさ、そう言ったから今麻実ちゃんと一緒に居るの…?」
麻実ちゃんが居ない今、どうしてもそれを確かめたかった。
良明くんは少し驚いた顔の後、数秒考えて口を開いた…時。
麻実ちゃんが戻ってきた。
その姿を見た良明くんは開いた口をゆっくりと閉じ、何事も無かったかのように私を見て微笑んだ。
「…どうかした?」
戻ってきた麻実ちゃんは私の隣に座り、良明くんの顔を見た。
「何も無い。て言うかお前、せっかく俺が奥に移動したのにそっちに座るのヒドくない?」
…麻実ちゃんと話すいつも通りの良明くん。
あの時、麻実ちゃんが戻ってこなかったら…良明くんはなんて言ったんだろう?
モヤモヤが消えないまま二人と話し、そしてファミレスを後にする。