幼なじみは年の差7歳【完全版】
…転勤?
なんで、急に…。
「…先輩のこととかは関係ないって。
前からそういう話が出てたみたい…来年からだって」
…せっかく、冬馬さんと気持ちが分かり合えたのに、こんなことになるなんて。
「…どうすることも出来ないのかな?
美和は、これでいいのかな?」
悲しそうな顔をする麻実が携帯を静かに閉じた。
「…仕方ないのかもしれないね。
冬馬さんは社会人で、俺らは学生だし。
冬馬さんもツラいと思う」
俺たちにはどうすることも出来ない。
美和ちゃんも、それがわかってる…。
「美和ちゃんはどうするつもりなのか言った?」
「ううん…何も」
「…じゃあ俺たちが意見を出すのはやめておこう。
相談とか、何か話してくれたら俺たちも話す。わかった?」
…俺たちが何かを言っても、転勤が取り止めになんてなるわけない。
美和ちゃんは冬馬さんから話を聞き、もうきっと、どうするかを決めているはず。
俺たちはただ、二人を見守るしかない。
「…わかってるけど、さ。
なんだか悲しいね」
麻実からすれば冬馬さんは兄で、その彼女は自分の親友…。
二人が離れてしまうのは、きっと凄く寂しいはず。
「一生会えないってわけじゃないだろ。
だからきっと、大丈夫だよ」
そんな言葉しか見つからなかったけど、麻実は俺を見てほんの少しだけど笑顔を見せてくれた。