線香花火~ひと夏の小さな恋~
好きに気づいて
次の日も、いつもどおり優馬が窓の外で待っている。

「おーい、早くしろ~~!」

「わかってる~~!」

私はバタバタと階段を駆け下りる。

そんなに文句ばかり言ってるのなら、待たなければいいのに。

そんな事、ちょっと思ってみたりして。

でも、待っててくれなかったら悲しいけど。


「おまたせ!行こっ!」

私は優馬の手を引っ張る。

こんなときも、ちょっとずつドキドキしている。
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