3番目の高度合成数。-年下のキミと-


 一日空けて『cube』に行くと、今日も大志くんはバイトをしていた。

 週四日以上いるんじゃないかという位の遭遇率だ……。


 すっかり黒いベストと黒いエプロンが様になっていて、仕事も板についたみたい。



「実句ちゃん、勉強頑張ってる?」


 ピーチティの香りを味わっていると、マスターがカウンターに片肘をつきながら聞いてきた。


「結構、手こずってるかも」

 私が苦笑すると、マスターがニッコリ微笑む。


「実句ちゃん、勉強ここでやらない? うちの店は結構静かだし、大志が結構教えれるんでしょ?」


「え、でも……」


 それは嬉しい申し出だけど、ハッキリ言って、お店の迷惑以外のなにものでもない気がするんだけど……。
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