3番目の高度合成数。-年下のキミと-
「もちろん、大志には仕事優先させるけど。お客さんがいてくれた方が、他のお客さんも入ってくるしさ」

 マスターが困ったように店内を顎で指す。


 確かに、今日は私以外お客さんがいなかった。苦笑するしかない。


「それにさ~」


 マスターが腕を組んで、フルフルと頭を振る。


「実句ちゃんが早く帰っちゃうと、誰かさんがブーたれて困るんだよ」


「ちょっ!? マスター!!」


 離れたところで砂糖の補充をしていた大志くんが、抗議の声を上げながら急いで寄ってきた。



 ……何で私が早く帰ると、なの?



 マスターに吼えてる大志くんの横顔を見上げると、その子どもっぽさに笑えてくる。
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