3番目の高度合成数。-年下のキミと-
 マスターに肘で小突かれて、大志くんが悪戯っぽく笑う。


「じゃぁ、実句ちゃんに実験台になってもらいましょう」

 そう言うとマスターは、手をヒラヒラさせて違うお客さんのところに行ってしまった。


「頑張って美味しく入れます」

 大志くんはそう言うと、腕まくりをしてオレンジティーの準備を始める。


「制服と、その服、イメージ全然違うね」


 黒いエプロン姿の、スラリとしてキレイな腕と、長い指先を眺めながら言うと、大志くんはちょっと自分の体を見た。


「確かに、自分でも気分が違います」


 フッと笑う大志くんに、ドキリとしてしまう。



 再会した日よりも、カッコよく見えてしまうのは何でだろう。

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