ひめがたり~いばら姫に真紅の薔薇を~




"お前が居るから"


そう怒鳴られると、あたしだって言い返さずにはいられない。


あたしのせいだなんて!!!


「……あんた過保護すぎだよ!!!

あたし、そんなに手がかかる子供!?」


心配され、守られるべきは櫂であって、あたしではない。

その存在価値が根本的に違う。


そう言うと櫂は押し黙ってしまった。


項垂れた頭を手で抱えながら、暫く大きな溜息が響く。


「……して、虚構に走る?」


突如声がして、怪訝な顔を向ければ。

何か言いたげな怒ったような眼差しを、ぷいと横にそらしてしまう。


「……は?」


意味が判らないから、補足を待った。

「………」

「………」


「………」

「………」


「………?」

「………」


「言って。何?」


「……やってんだろう、お前も」


「は?」


「ブラッディ・ローズ」



血色の…の方じゃないだろう。


もしかして。

もしかしなくても。


あの恋愛ゲーム、ブラッディ・ローズをまだ引っ張っているのかこの男は。


そしてあたしが寝ている間も、まだねちねちとわけの判らないことを考えていたのだろうか。


「あたしにも付き合いというものが、不可抗力というものがあるの!」


あたしは飽きれ返ったような溜息をつく。


「あんたにあんなゲーム横行しているの言わなかったのは悪かったわよ。だけど知ったのだって昨日だし。昨日それどころじゃなかったし。今朝になったらすっかり忘れてたし」


しかし櫂からの返答はなく。
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