ひめがたり~いばら姫に真紅の薔薇を~



すまない――。



芹霞を包む温かさを消したのは俺。

冷たい闇に捕えたのも俺。

全ては俺の独断で。



8年前のあの時――



――芹霞ちゃああああん!!!




「……何だって!?」




血に染まるお前を――



――嫌だああああ!!!







「ふざけんじゃねえッ!!!」








煌の怒声で覚醒する。




暗い、見慣れた天井。


ベッドで寝ていた俺。





何だ?


何してんだ、俺。


ワイシャツと背広のズボン?

何で、背広を着てたんだ?



思い出す。


ああそうだ。


親父に呼び出されて、


紫堂本家から帰ってきて、頭痛くて……。


倒れたのか?


時計を見ると、夜中の0時を過ぎていた。




「……煌、大きな声を上げるな」



玲の抑揚ない低い声。



「?」



俺はベッドから立ち上がった。

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