ひめがたり~いばら姫に真紅の薔薇を~
「何も考えずにいられる"達する瞬間"だけを求める…。女はその為の"逃げ"の道具。使い捨てだから一度限り。だから後腐れない女として、香水女が多い。
そんな処だろう。
そんな最低雄犬に尾を振る雌犬は、哀れよのう」
「……!!!」
「そこまで"遊び"だと割り切る男も珍しい。それでいて"芹霞の処女"には過剰に反応する。この差は一体何だろうなあ?」
くつくつと、愉快そうに緋狭姉は笑う。
抵抗する気力もねえ。
「……何とでも言えよ、もう」
俺はふて腐れて、胡座をかいた。
実際、慣れない正座で足がじんじんしていたからタイミングがいいけれど。
「私が、芹霞をやると言ったら?」
「!!!!」
俺は瞬時に目を見開き、緋狭姉を見た。
「冗談に決まっておろう。
少女みたいに目を輝かせるな」
俺はがっくりと項垂れた。
「で、だ」
何だ。
今度は何を言い出すつもりだ。
もう俺…精神がかなり消耗しちまったよ…。
「この先、お前……
芹霞と、どうするつもりだ?」
「どうもするつもりねえよ」
俺は顔を背ける。
「元より櫂に勝てる気もねえし」
言葉にして、更に落ち込む俺。
仕方が無いだろう?
勝負、にもならねえ。