ひめがたり~いばら姫に真紅の薔薇を~
目の前にドアがある。
ドアの輪郭から、光が漏れている。
ここを開いて進まねば、また階段を上る…退路しかねえ。
行くか、戻るかの2選択。
だとしたら――
開けるしかねえだろ。
俺はそのドアを蹴り飛ばした。
「だからー、今大変だから来るなって言ってるじゃないか――カイチョ……
……え?」
目の前には女。
あどけない顔立ち。
小学生か?
だが頭にはネコ耳、身体にはメイド服。
小学生にしては奇抜な服装。
ネコ耳メイドというよりも、妖怪ネコ娘のようだ。
ぼんやりと芹霞を見てしまう。
そして池袋のことも思い出す。
芹霞への想いを自覚している今、芹霞にそんな恰好で『ぎゅうってして』と言われたら暴走しちまうけど、同じ格好してるこの女には特別何も感じねえんだ。
何だ?
芹霞限定のネコ耳しか、俺…反応しねえのか?
何だよ、凄い…あからさま?
そんなことを思っていたら。
「神崎!!?」
ネコ娘が声を上げたんだ。