ひめがたり~いばら姫に真紅の薔薇を~
「お前……」
煌が震える声で言った。
「心臓に悪いんだよ!!!
いきなり何仕出かすよ!!?」
「結果オーライ。それより腕は大丈夫!?」
「まあ骨は持って行かれたが、平気だ。放っておけば治る」
ぶらりとして動く気配がない腕。
「治るって……擦り傷じゃないんだし」
あたし達は階段をかけあがり、屋敷の廊下を走る。
「治るんだよ、芹霞」
5・6人の黒服男達に取り囲まれた。
煌は左手だけで瞬殺した。
片手だけでもその早さは衰えていない。
倒れている黒服の男の四肢が妙な方向にねじ曲っているのは、見ないことにしておこう。
「俺も同じなんだ
――陽斗と」
そう、煌は言った。