ひめがたり~いばら姫に真紅の薔薇を~

 
「な、何、どうして突然クマが!?」

「あー、俺と同じ原理」


煌が頭を掻きながら言った。


「俺達、守護石……宝石に力を分配させて閉じ込めてるんだ。そしてその石に宿る力を、想起というイメージによって、武器という形に物理的に顕現させて使うことが出来る。石本来の魔力に力を増幅させてるんだ。

俺は太陽石(サンストーン)の偃月刀」


「あのピアス、緋狭姉からのプレゼントじゃなかったの!?」


「ちげえよ」


「そして私は、黒曜石(ブラックオニキス)の裂岩糸」


桜ちゃんはクマの黒い目を撫でた。


「な、なんでそんなこと出来ちゃうの?」


「そりゃ、紫堂の警護団だから」


煌が何でもないというように言った。


「じゃあ玲くん……もしかして櫂なんかもそんなの出来るの?」


「彼らにも守護石というものは存在しますわ。顕現も出来るとは思いますが、紫堂の力というものがありますから、特に必要ありませんね」


桜ちゃんも普通だ。


やはり、紫堂は人智を超越している。


あたしは今まで何も知らなかったらしい。


櫂、あんたそんなこと出来てたの?


――芹霞ちゃあああん!!


………。


あたしは櫂を理解しているようでいて、実は何も知らないのかも知れない。



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