ひめがたり~いばら姫に真紅の薔薇を~


あたし達は桜ちゃんと別れ、

爆発音とざわめきが拡がる場所に向かった。


先刻は静かなる方へ走っていたのに今度は逆。

人生、いつ道がどうなるか判らない。



「……どしたの、煌?」

「ん? 本当にあいつらが来ているんだなって」


喜んでいるわけではないらしい。

だが特別に不快でもなさそうだ。


どっちつかずの複雑な表情。


「まあ……呪詛を破ったんだろうけどよ……本当に迎えに来るんだもんな、櫂」


――迎えに行く。


「ははは。だって櫂だもん。言い出したら聞かないよ」


こんな戦場に迎えにこさせて、

不謹慎だと判ってる。



だけど――


「何だか嬉しいね」


煌は何も答えなかった。
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