ひめがたり~いばら姫に真紅の薔薇を~



「……覚悟しとけよ」


思わず口から漏れた。



「全て片付いたら――


攻めまくるから」


「は?」


きょとんとした黒い瞳。


「もういいって言っても、

絶対逃がさないから」



若干――怯えている。


「逃がすものか」



汗すらかいている。



「だから――

覚悟しておけ」



今は身動きできなくとも――

俺は……男だ。



捕らえてやる。




だから俺に――

――…堕ちろ。





「判った」


そんな切なる願いは――


「本家でお父さんから言われたんでしょ、何か攻め落とす予行練習?」


「………」


やはり届いていなくて。


「紫堂のお仕事も大変だね。

よしよし頑張れ、御曹司!!

あたし応援してるからね?」


………。

励まされた。



「……芹霞」



喘ぐように。

懇願するように。



「俺の中で……目覚めろ」



そして俺は――



「か、かかか櫂!?」



芹霞を床に押し倒したんだ。


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