ひめがたり~いばら姫に真紅の薔薇を~
恐る恐る芹霞の顔を見ると、
上体を起こした芹霞の目はきらきらとしていて。
きらきら……?
「そうか。玲くんは電気で櫂は風なのか。
うふふふ。凄いや凄い!!!
あたしに隠し事なんて、100年早いよ?」
どうやら、俺の秘密を知ったのが嬉しかったみたいで。
「いつから出来てたの?」
「俺が紫堂に入ってから……。
これは、紫堂の血によるもので……」
俺を導いた師匠は緋狭さんだと言ったら、きっと芹霞は驚くだろう。
しどろもどろの…言い訳じみた言葉は、芹霞の中に意外にすんなりと入っていったようだ。
「やっぱり紫堂って普通じゃないんだね。あたしも出来ないかな、超能力。みんな出来るのに、あたしが出来ないわけないと思わない?」
順応力があるといえば聞こえはいいけれど、ここまできらきらした目で見上げられると、俺もどう反応していいか判らなくなる。
「怖く…ないのか?」
少し、声が震えていたと思う。
「何で?」
不愉快とでもいいだけにその眉根は寄せられて。
「煌も玲くんも。何でもっと早く言わないのかな。隠すようなものでもないでしょうに」
俺は目を伏せ…静かに息をした。
そうだ。
芹霞は――
「ありがとな」
俺を裏切らない。
昔から。
今でも。
何を憂えていたのだろう、俺は。
芹霞だけは、絶対俺を裏切らない。
だからこその、
俺の…想い人。