ひめがたり~いばら姫に真紅の薔薇を~
「芹霞はどう思う?
再生できる体…」
「別に……?」
「……それだけ?」
呆気なさ過ぎる、些か…薄すぎる反応に、僕は思わず聞き返してしまった。
「玲くんも煌みたいなこと言うんだね。別に煌は煌なんだし。何も変わることなんかないよ」
ああ、本当に。
君という存在は、僕達にとって"救い"だ。
僕達の…揺るがない"根本"を見ようとしてくれるのは。
眩しい…ね。
「ねえ、玲くん。紫堂ってどんな家? ただの財閥じゃないんでしょう?」
芹霞に紫堂のことを隠していても、もう意味はないだろう。
彼女もまた、渦中にいるのだから。
「紫堂はね、異能力者の集まりなんだ」
僕は言った。
「異能力?」
「そう。例えば僕の電磁波…電気のように、櫂の風の力のように。巷(ちまた)に言う超能力者。SFファンタジーの登場人物。普通ではありえない、社会の食み出し者が集まって出来た一族さ」
「………」
「悪魔、鬼……いろんな呼び方をされてきたらしいね。闇の一族、闇の眷属……その呼び方を『紫堂』という名前に縛ったのが、櫂の先代。滅ぶしかなかった闇の者が社会で生きるために、最高権力者に掛け合った。その力を捧げる代わりに、保護を求めた」
「………」
「地位の代償は、元老院の玩具。
元老院の為に同族殺しも拒めない」
「同族……殺し?」
「紫堂は――緋影の血縁だ。
直接的ではないけれどね」
芹霞は目を細めた。