ひめがたり~いばら姫に真紅の薔薇を~


そしてまた…

それは弱者の行き着く結末。


僕は…櫂に庇護され過ぎた。

恵まれすぎた。


紫堂では、弱者の生き伸びる術はない。


例え一時栄華を誇ろうと、

敗者が辿る結末は破滅以外になく。


それは…みせしめ。



――お待ち下さい、父上。



僕を救ったのは櫂だ。



――玲がいなくなっては私が困ります。この場が私に開かれたものならば、ここは私に免じて不問にして頂きたく。紫堂の未来のために。


これ以降――

僕はあからさまに蔑んだ態度を向けられた。


当主を初めとして、使用人までもが、堂々と僕を冷遇した。


――厚顔無恥。よく櫂様の傍に居られるものだ。

――親も親なら子も子だ。気狂いめ!!


かつて…僕を賞賛した者達が、僕を嘲笑う。


だけど僕は耐えてられたんだ。


櫂が居たから。


――玲、俺を信じろ。

――俺が…紫堂を変えてやる。


櫂が僕を…闇から救い続けてくれたから。


櫂は、口先だけの男ではない。



――玲、信じろ。



そして、今も尚――。



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