ひめがたり~いばら姫に真紅の薔薇を~
「芹霞!!?」
場に響いたのは誰の叫びだったのか。
崩れ落ちる芹霞は、口から血を滴らせ、そして藤姫の位置に向けて叫んだ。
「あたしは今この場で、
真なる持ち主に石を返すッ!!
あんたに操る余地はないッ!!!」
そして芹霞は鉤爪を引き抜き、
「うぐっ!!!!」
溢れる…血潮の奥底に、自らの手を差し込むと、
「――ッ!!! 櫂ーーッ!!!」
俺の名前を大きく叫び、倒れ込んだ。
俺は重い身体を動かして、芹霞の元に駆けつける。
「……馬鹿な、俺が今までどんな思いで……!!!」
結界を……。
それより、回復か……。
俺の頭はよく働かない。
芹霞の手に握られている、真紅に濡れた血染め石。
8年ぶりに目にした俺の血染め石。
「やっぱり――
あったんだ……石。
ありがとう――
愉しかった――
あたし本当に――
櫂のこと――」
芹霞から流れる一筋の涙。
「櫂、大好き……」
そして芹霞は…
「永遠に――
大……好…き……」
俺の芹霞は――…