ひめがたり~いばら姫に真紅の薔薇を~
それとほぼ同時期――。
1人の元老院が消え、
新たに1人の男が元老院に就任した。
本来ならばその職に、現役復帰した紅皇と呼ばれる女が推薦されていたが、彼女が慎んで辞退した為、彼女が推す氷皇と呼ばれる男がなった。
男は気紛れな性分故、元老院として姿を現すことなく、好んで兼任する元老院配下の五皇の立場として、場の統制を撹乱させて喜んでいる。
古今問わず、あらゆる裏事情に精通しているその男のおかげで、ある財閥の処遇が不問となり優遇さえされたこと、そしてそれを紅皇と呼ばれる女が目論んでいたこと、更にそこに至るまで8年をかけた2人の密約の全貌などは、庶民には窺い知れない事である。
また都内のある私立高校で、一部から"残念な子"と称された、生徒会長の少年が突然海外留学をした。
それは養家からの事実上の追放であったが、彼が目指したある少年も同じ道を辿っていたということは彼は知らない。
現在傷心中の彼がその後どうなるのか、それは神のみぞ知る処である。