青空、ハレの日☆奇跡の条件(加筆修正中)
 戸惑いと恐れが半々となっている心境が仙太の表情に表れて、複雑なものを作る。

「当然ですね」

 表情から仙太の気持ちを悟り、また、それでも気を悪くした様子は全く見せないマリィが「怖いですよね」という意味の言葉を告げる。

 そう告げたマリィの表情がいつもの笑顔となんら変わらないものだったので、返事に困ってしまった。

 マリィは笑みを保ったまま続けた。

「大丈夫です。悪魔は人間を不幸にしちゃうんですから、怖いと思うのが当たり前なんです」

「えっ、ふ、不幸!?」

「あ、心配しないでください。本当は“教え”で一人でも多くの人間を不幸にしなきゃいけないんですけど、そういうの、もう辞めたんです」

「は、はぁ……」

 マリィの言っていることはよくわからなかったが、彼女から伝わるぽわぽわした感じは、仙太から“悪魔”という恐怖のイメージを拭いさるには充分だった。

「それに、不幸にするには“あること”をしなきゃいけないので、ただこうして話しているだけじゃ不幸にならないので安心してくださいね」

 ニッコリとそう告げたマリィは、まだテーブルの上に残っている朝食メニューに視線を移してさらに目尻を下げた。

「あ、そういえばまだお食事の途中でしたね♪ いただいてもいいですか?」

「………あなたのために作ったんですから、断る理由なんてないですよ。あ、味噌汁、温めなおしますね」

 柔和な笑みを浮かべて仙太が返すと、マリィは嬉しそうに席につき、味噌汁が温まるまでニコニコと笑顔で待った。

 仙太はマリィの分のお椀を取って、それを鍋に戻すと火にかける。ゆっくりとかき混ぜながらグツグツと沸く味噌汁を見つめながら仙太はマリィに告げた。

「そういえば、ありがとうございます。学校、わかりました?」

「はい。カラスさん達に尋ねたら割りと近くまでは、すぐに辿り着けましたから」
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