青空、ハレの日☆奇跡の条件(加筆修正中)
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 日直である空兎は、本日最後の仕事であるゴミ箱のゴミを焼却炉に捨てに行き、教室に戻ってきた。

 誰もいない静かな教室に空兎に疑問が一つ生まれる。

(あれ? クヲンくん……待っててくれるって言ってたのに……)

 トイレかな、と思いつつゴミ箱を教室の元の位置に戻して、クヲンの鞄があるか確かめる。

 結果は、なし。疑問は強くなる。

(う〜ん、帰りにせっちんのお見舞い一緒に行くって行ったのに〜)

 眉を八の字にして、唇を尖らせる空兎。疑問が晴れないまま、机の脇に掛かっている自分の鞄を取ろうとして、異変に気付く。

「あ、あれ!? キィがいない!?」

 本来なら鞄のマスコットとして紐でくくり付けられているはずのキィの姿が見えなかった。

 鞄の中を探ったり、中身を全部出しても、あの愛くるしい青くて丸い不可思議生物は出てこない。

 誰もいない教室で一人混乱する空兎。

 その時、スカートの中の携帯電話が軽快な着うたを鳴らし、空兎を驚かす。

 学内では基本的に携帯電話は禁止されているので、普通はマナーモードにしているものだが、空兎はそれをし忘れていた。

 二重の意味で驚いたというわけだ。

 慌ててポケットから携帯電話を取り出し、鳴り響く着うたを止めようとするが、サブディスプレイに映った見知った着信相手に空兎は目を見開く。

「せ、セレビアさん………」

 教室にも関わらず空兎は電話に出る。

「もしもしっ! セレビアさん! 今、どこ!?」

 帰ってきたのはセレビアの声ではなく、クヲンの声だった。

『ゴミ捨て終わったか?』

「クヲン………くん?」

『………終わったんなら、屋上に来いよ。待ってるからよ』

「え……? な、なんで?」

 空兎が戸惑う中、電話がブツリと切れる。

「……………意味わかんない」

 状況が呑み込めずに空兎は放心する。

 しかし、いつまでもこうしていることも、ましてや何もわからないまま逃げるように帰ることは絶対できない。

「………………」

 空兎は鞄から出したものを強引に詰め込んだ後、屋上へと走った。


 クヲンの待ってる場所へと………
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