青空、ハレの日☆奇跡の条件(加筆修正中)
小雨が降っていた。
屋上に着いた空兎は、見慣れている風景なのに不安と混乱のせいで妙に緊張していた。
出入口のドアを開けて真っ先に空兎の視界に入ったのは、フェンスの向こう側にいるクヲンの背中だった。
「クヲンくん!!」
空兎が叫ぶ。しかし、クヲンは振り返らない。
聞こえてないはずがない。
ズボンのポケットに手を入れたまま、身動ぎ一つ、反応一つしないクヲンが空兎を一層不安にさせた。
空兎がもう一度呼び掛けようとしたその時、二人しかいないと思っていた屋上に三人目の声が聞こえてきた。
「おい、返事くらいしたらどうだ?」
驚いて空兎が振り返ると、出入口の陰から黒いスーツを着た男が姿を見せた。不敵な微笑に、鋭い眼光。無精髭が印象的な彼を、空兎は知っていた。
「アンタ………なんで!?」
敵意を剥き出しにして、空兎はその男───灰山を睨み付けた。
灰山は目に掛かるまで伸びた前髪を掻き上げると、嘲笑うように空兎に告げる。
「あの天使に訊いてみろよ」
「!」
灰山の言葉に空兎は衝撃を受けた。“鍵”を狙っている目の前の男がクヲンの正体を知っている。そして、この状況にも関わらず、クヲンは一向に反応を示さない。
空兎の混乱は増すばかりだ。
クヲンの方に視線を戻して、再度呼び掛ける。
「クヲンくん! これってどういうことなの!? なんでこいつがここにいるのよ!?」
叫びにも似た問い掛けに、クヲンがようやく反応する。どこか憂いを秘めた表情が空兎の前に現れる。
今まで見たことないその表情に、空兎は戸惑いを覚えてしまう。
「クヲン……く…ん?」
「………丁度良かった」
「え?」
クヲンの顎が微かに上がるのを見て、空兎がそれを「後ろを見ろ」という意味で捉えた。
様々な疑問を抱えながらも、空兎はそれに従い後ろへと振り向く。
また、新たな疑問が増えた。
「嘘………せっちん?」
空兎が見たものは、背中に黒い翼を生やした少女にクレーンの要領で両脇を抱えられた仙太の姿だった。
屋上に着いた空兎は、見慣れている風景なのに不安と混乱のせいで妙に緊張していた。
出入口のドアを開けて真っ先に空兎の視界に入ったのは、フェンスの向こう側にいるクヲンの背中だった。
「クヲンくん!!」
空兎が叫ぶ。しかし、クヲンは振り返らない。
聞こえてないはずがない。
ズボンのポケットに手を入れたまま、身動ぎ一つ、反応一つしないクヲンが空兎を一層不安にさせた。
空兎がもう一度呼び掛けようとしたその時、二人しかいないと思っていた屋上に三人目の声が聞こえてきた。
「おい、返事くらいしたらどうだ?」
驚いて空兎が振り返ると、出入口の陰から黒いスーツを着た男が姿を見せた。不敵な微笑に、鋭い眼光。無精髭が印象的な彼を、空兎は知っていた。
「アンタ………なんで!?」
敵意を剥き出しにして、空兎はその男───灰山を睨み付けた。
灰山は目に掛かるまで伸びた前髪を掻き上げると、嘲笑うように空兎に告げる。
「あの天使に訊いてみろよ」
「!」
灰山の言葉に空兎は衝撃を受けた。“鍵”を狙っている目の前の男がクヲンの正体を知っている。そして、この状況にも関わらず、クヲンは一向に反応を示さない。
空兎の混乱は増すばかりだ。
クヲンの方に視線を戻して、再度呼び掛ける。
「クヲンくん! これってどういうことなの!? なんでこいつがここにいるのよ!?」
叫びにも似た問い掛けに、クヲンがようやく反応する。どこか憂いを秘めた表情が空兎の前に現れる。
今まで見たことないその表情に、空兎は戸惑いを覚えてしまう。
「クヲン……く…ん?」
「………丁度良かった」
「え?」
クヲンの顎が微かに上がるのを見て、空兎がそれを「後ろを見ろ」という意味で捉えた。
様々な疑問を抱えながらも、空兎はそれに従い後ろへと振り向く。
また、新たな疑問が増えた。
「嘘………せっちん?」
空兎が見たものは、背中に黒い翼を生やした少女にクレーンの要領で両脇を抱えられた仙太の姿だった。