青空、ハレの日☆奇跡の条件(加筆修正中)
「話なら奴らも混ぜた方が手間が省ける」

 感情を押し殺したようなクヲンの口振りに、空兎はついに我慢の限界を迎え、ヒステリック気味に叫んだ。

「なんで!? マジ意味わかんない!! キィはいなくなるし!! クヲンくんは何か変だし!!」

「キィなら……ここにいるぜ」

 クヲンが右手の人差し指と中指で挟んだものを空兎に見せる。それはまるで宝箱を開けるような形をした大きくて蒼い鍵だ。

「キ………ィ?」

 その鍵の色とキィの蒼色が被って見える。空兎は言葉にできない気持ちになった。

 立て続けにわからないことが起こり過ぎてパニックになる。混乱に思考がついていかない。

 過呼吸を起こしそうなくらい空兎の呼吸が荒くなり、破裂するのではないかと思うくらいに心臓が早く脈動している。

「ぃや、いや……どうなってるの?……なんれ? だって、クヲンくん、守ってくれるって……せっちん入院しれるって……キィいない……え? なんで、キィが鍵に?」

 混乱から呂律が回らず支離滅裂な事を言い始める空兎。自らの栗色の髪を掻き乱し、その場に崩れ落ちる。

 クヲンは、彼女のそんな姿を見ないように俯き加減で目を閉じた。

 そこへ仙太の声が響く。

「空兎!」

 マリィに抱えられた仙太が屋上へと着地するなり、自分の怪我の痛みなど構わずに空兎の元へと駆け寄る。

 その声にクヲンは目を開き、仙太の姿、そして二人から少し離れた位置に立っているマリィを見る。

(都合よく役者が揃ったもんだぜ……)

 クヲンは内心でこの状況を嘲笑った。そして空兎の両肩に手をやって、懸命に呼び掛けている仙太に向けて告げる。

「怪我は大丈夫か? 仙太」

「!」

 クヲンの呼び方が変わったことに妙な感じを覚えて視線を送る。

 そこには仙太の目から見て、「男友達」でも「ライバル」のクヲンでもない、全く別のクヲンが立っているような気がした。

「クヲン……君は一体何を考えてるんだ?」

 仙太の質問にクヲンはマリィを一瞥した後、一呼吸置いて答える。
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