青空、ハレの日☆奇跡の条件(加筆修正中)
「もちろん、はなっから“神杯”を手に入れることだけを考えてるさ。それが、そこにいる灰山と交わした契約だからな」

 その言葉は空兎と仙太を愕然とさせるには充分な威力だった。

 大きく見開いた二人の目を見つめながらなクヲンは続ける。

「勘のいい仙太なら察しがついてるかもしれないが……俺はそこの灰山と同じある組織の一員だ」

「いつ……から?」

 喉の奥から絞り出すように声を出したのは空兎だ。

 クヲンが今の空兎にとって酷な答えを返す。

「お前らと出会う前だ……ついでに言うならば、俺は“鍵”を手に入れるためにお前らに接触した」

 空兎と仙太の脳裏にゴールデン・ウィーク、仙太はあの森で、空兎はあの湖畔で初めて出会ったクヲンの屈託ない笑顔が甦る。

 あの笑顔の裏に、このような企みが隠されていたことに二人はショックを受けた。空兎に至っては言葉すら出ない様子だ。

「目論見通り、俺のヒントでお前らは“鍵”を手に入れた………空兎、お前のお陰だぜ」

「…………え?」

 ショックで俯いていた空兎の顔が上がる。

 あの時、キィを直接手に入れたのは確かに空兎だが、クヲンのヒントである“光”を太陽のような光=花火というアイディアを出したのは仙太だ。功績を讃えるのなら仙太のはずだと空兎は思った。

 クヲンがその真理を話す。

「実はな、“鍵”の餌となる“光”ってのは、人の喜びの光のことなんだよ。よく言うだろ、希望の光とか、心の光とか……そういったプラスのイメージを持った光が“鍵”の本当の餌だ」

「花火じゃなかったのか?」

 仙太が尋ねる。あの時の立案者なだけに気になったのだ。

「花火はただの切っ掛け、起爆剤に過ぎない。あの時、“鍵”が本当に引き寄せられたのは………」

 ゆっくりとクヲンは“鍵”で空兎を差す。

「空兎、お前なんだよ」

「どういう……こと?」

「“光”……その中でも“極上の光”に相応しいのは、純粋な人の光を持つお前は“鍵”にとって、最高の餌だったってことだ。なついた理由はそれだよ」

「そう………なんだ……」

 再び俯いてしまう空兎。
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