青空、ハレの日☆奇跡の条件(加筆修正中)
「と、とにかく、こっからは全力で走るよ! てか、体力的に大丈夫?」

 むせた涙目で尋ねる空兎。

 確かに湖に落ちたせいで服が濡れて、重くなっている。それで走るとなると普通よりも体力を消耗する。

「そっちこそ大丈夫なのかよ?」

 いくら中学時代バスケット部で体力はあり、普段もあれだけ暴走的な行動をしておいても、空兎も仙太同様、湖に落ちて服が重くなっているはずだ。

 仙太自身、正直限界が近いだけに空兎の体力も同じように尽きかけているのではないかと思っているのだ。

 しかし、空兎は弾けた笑顔で応えた。

「当ったり前でしょ! 全っ然、余裕!」

 その笑顔に仙太は苦笑した。

 額にびっしり汗をかいて、立ち上がった足が微かに震えている。呼吸も仙太に気づかれないようにしているが、確実に荒い。

 少なくとも見る限りでは「余裕」ではない。

 けど、その笑顔は不思議と仙太にパワーをくれた。

「わかったよ……まったく、明日、筋肉痛だな」

「なぁにジジくさいこと言ってんの!」

 屈伸運動をしながら空兎が「だらしないなぁ」と言葉を続けようとしたその時、木々がガサゴソと揺れ、そこから別の黒服の二人組現れた。

 バッチリと空兎と仙太がその二人組のサングラスと目が合う。

「あ……」

 笑顔が一瞬、固まった後、二人は回れ右。すかさず走りだした。

 とにかく、死の物狂いでその場から逃げる!

 もう体力は限界のはずなのに、不思議と足が動いた。
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