青空、ハレの日☆奇跡の条件(加筆修正中)
§


 空兎たちと合流すべく森を抜けて、湖畔を走っていたジョーは、途中、倒れているマリィを発見した。

 慌てて駆け寄るが、彼女が打撲と裂傷他は大した怪我が見受けられなく、その上、幸せそうな寝息を立てていたのでひとまず安堵した。

「相手は……クヲンくん、ですかね?」

 黒服相手だったらここまで軽傷ではないだろう。それにマリィの話によると、自分を人質にしていることで実質、組織はクヲンを利用しているのだ。ここで放置するはずがない。

(だとしたら、急いだほうがいいですね)

 ジョーの表情が険しくなる。クヲンはすでに空兎たちを追いかけているはずだ。自分も急がなければならない。

 しかし、マリィをこのまま放置するわけにもいかず、とりあえずおぶさろうとした。


 その時―――


「動くな」

 背後から聞こえてきた男の声に、ジョーは動きを止めた。後頭部に当たる冷たい感触。

 間違いなくそれは拳銃だ。

 そして、次々にジョーを取り囲む黒服の男たち。

 気を失っているマリィもいて、迂闊な行動は危険だと“本能”が告げている。

「おとなしく投降してもらおう、緋上ジョー」

 背後より聞こえる黒服の男に、ジョーは今、従うしかなかった。

(すみません……)

 無念そうにジョーは目を閉じた。

 腕の中ではマリィが幸せそうに微笑み、胸元の十字架がキラリと光った。
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