青空、ハレの日☆奇跡の条件（加筆修正中）

「ったく、俺を本気にさせるなんて、何考えてんだ？ お前」

「なーんも！」

　軽いノリで返す空兎に、仙太は驚き、呆れた顔をするが、クヲンは、もはや彼女が何を言っても驚かない様子だ。黙って、ただ二の句を待つ。

「だってアタシ、バカだし！」

　そう言った後、空兎は白い歯を見せて思いっきり破顔した。

　クヲンは、彼女らしいその答えにクヲンは

「ぷっ、ハハハハハハハハハハハハハ……！！」

　本心からの笑い声を上げた。

　不思議と、クヲン自身、久しぶりに何も考えず純粋に笑えた気がした。

　中々止まないクヲンの笑いに、さすがに空兎や仙太も唖然としてしまう。


　その時だ。


　ふいに空兎と仙太の背後より、団体の足音が聞こえてきた。

「ご機嫌だな、白矢クヲン」

　二人がその声に振り返ると、そこには黒服に身を包んだ組織の人間たちが立っていた。

　サングラスの視線が空兎や仙太ではなく、その奥にいるクヲンを捉えている。

　クヲンの目つきが一変した。

「お前ら……何しにきた？ ここは任せろって言ったはずだぜ？ 空気読めよ」

　いい気分だったのに邪魔された、という感じにクヲンが不機嫌な表情となるが、黒服達の表情は変わらない。

「事情が変わった」

　機械的に先頭に立っている男が言い放つ。クヲンを含む、三人が怪訝な顔となる。

　サングラスの視線が、クヲンから空兎へと移る。

「天羽空兎。君の仲間は全員、我らが捕えた」

「え……？」

　空兎、仙太、クヲンの三人の表情が驚きに凍りつく。中でも空兎が一番ショックを受けている様子だ。