青空、ハレの日☆奇跡の条件(加筆修正中)
「抵抗はやめて降伏してもらおう。拒否すれば……」
「待てよ!」
黒服の言葉を、クヲンが遮った。
「てめぇ! 自分が何言ってんのか、わかってるのかよ!?」
「当然だ。安心しろ、利用価値のあるセレビア=J=ダルクとあの悪魔は生かしておく。だが、天羽空兎が降伏を拒否すれば緋上ジョーの身の安否は保証しない」
(利用価値かよ……)
奥歯をギリッと噛み締めるクヲン。心中は穏やかではない。
だが、そんな彼の心情は構わず、黒服の男は続ける。
「さぁ、どうする? 天羽空兎」
空兎は顔を俯かせている。肩がクヲンの距離から見ても震えているのが分かった。
「へっ、空兎が降伏したところで、緋上ジョーを助けるつもりなんてないんじゃないのか? あの人をこのまま生かしておくメリットはあんたらにはないもんな?」
「君はどっちの味方かね? 堕ちた天使」
「やろっ…!」
黒服の挑発に大鎌を身構えるクヲンだが、そこへ空兎の声が飛ぶ。
「いいよ! ……クヲンくん」
空兎の声に、今にも斬りかかりそうだったクヲンの動きが止まる。
「空兎……」
クヲンが小さく名前を呼ぶと、空兎は言葉を途切れ途切れにさせながら言う。
「みんなのお陰で、アタシ、ここまで走れてこれたんだ。みんながいたからアタシ、すっごく楽しかったんだ……。そのみんなが危ないって言われたら…………もう……」
最後の言葉は、悔しさから口にはできなかった。
そして、空兎は今にも零れそうな涙を堪えながら、潤んだ瞳を真っ直ぐ黒服たちに向ける。
「いいよ、降伏する。でも、その代わり! アタシをみんなの所まで連れてって!」
喉が張り裂けんばかりに、空兎は叫んだ。
「待てよ!」
黒服の言葉を、クヲンが遮った。
「てめぇ! 自分が何言ってんのか、わかってるのかよ!?」
「当然だ。安心しろ、利用価値のあるセレビア=J=ダルクとあの悪魔は生かしておく。だが、天羽空兎が降伏を拒否すれば緋上ジョーの身の安否は保証しない」
(利用価値かよ……)
奥歯をギリッと噛み締めるクヲン。心中は穏やかではない。
だが、そんな彼の心情は構わず、黒服の男は続ける。
「さぁ、どうする? 天羽空兎」
空兎は顔を俯かせている。肩がクヲンの距離から見ても震えているのが分かった。
「へっ、空兎が降伏したところで、緋上ジョーを助けるつもりなんてないんじゃないのか? あの人をこのまま生かしておくメリットはあんたらにはないもんな?」
「君はどっちの味方かね? 堕ちた天使」
「やろっ…!」
黒服の挑発に大鎌を身構えるクヲンだが、そこへ空兎の声が飛ぶ。
「いいよ! ……クヲンくん」
空兎の声に、今にも斬りかかりそうだったクヲンの動きが止まる。
「空兎……」
クヲンが小さく名前を呼ぶと、空兎は言葉を途切れ途切れにさせながら言う。
「みんなのお陰で、アタシ、ここまで走れてこれたんだ。みんながいたからアタシ、すっごく楽しかったんだ……。そのみんなが危ないって言われたら…………もう……」
最後の言葉は、悔しさから口にはできなかった。
そして、空兎は今にも零れそうな涙を堪えながら、潤んだ瞳を真っ直ぐ黒服たちに向ける。
「いいよ、降伏する。でも、その代わり! アタシをみんなの所まで連れてって!」
喉が張り裂けんばかりに、空兎は叫んだ。