青空、ハレの日☆奇跡の条件(加筆修正中)
出てすぐに目的の人物は確認できた。
見るからに憔悴しきった彼女は、仙太の肩に支えられながらゆっくりと歩いてきている。その周りをクヲン含む数人の部下で囲まれている状態だ。
そんな状態の彼女であるが、灰山は同情するつもりはない。
「降伏した天羽空兎を連れてきました」
灰山の前で立ち止まった先頭の部下が報告するが、灰山はそれには応えず、彼をどかして空兎の前に立つ。
空兎が顔を上げた。
「何か言いたそうだね?」
「あぁ、何故、来た? いや、何故、降伏した?」
「何故って……」
「俺がお前なら、捕えられた仲間なんか捨て置く。本当に目的を果たしたいなら躊躇わずな」
「………」
灰山のその言葉を、空兎は睨みつけた。
「あんたの……あんた達の叶えたい“奇跡”ってのは、そういうものなの?」
「……それが覚悟ってものだ。少なくとも、俺はそのつもりで今までやってきた」
「………」
「だからこの勝負、俺たちが勝った。所詮、お前らの叶えたい“奇跡”の覚悟なんて、生半可なものだったってことだ」
その瞬間、空兎の頭にカッと血が昇った。
「ふざ―――」
「ふざけるなっ!!」
空兎が感情の赴くままに溢れる言葉を口にしようとした言葉と、仙太の叫びが重なった。
一番驚いたのは空兎だった。
仙太がそのことに気づいていないのだろう、灰山に向かって捲くし立てる。
「覚悟が生半可なんて……勝手に決めるなよっ! 生半可な気持ちでこんな戦争みたいなことするわけないだろう! 純粋に叶えたい“奇跡”に重いとか軽いとか、強いとか弱いとかないよ! けど、それと同じくらい譲れないものもあるから……だから空兎はこうしてみんなを助けようとして―――」
仙太の必死の訴えは、うんざりした様子の灰山の拳銃によって中断させられた。
「悪いが…そういった綺麗事は、忘れたんだよ」
「っ……!」
目の前に突きつけられた拳銃に仙太の全身が強張る。その引き金はいつ引かれてもおかしくない。灰山のほんの気まぐれでも。
その時。
少し離れたテントが突如、炎上した。
見るからに憔悴しきった彼女は、仙太の肩に支えられながらゆっくりと歩いてきている。その周りをクヲン含む数人の部下で囲まれている状態だ。
そんな状態の彼女であるが、灰山は同情するつもりはない。
「降伏した天羽空兎を連れてきました」
灰山の前で立ち止まった先頭の部下が報告するが、灰山はそれには応えず、彼をどかして空兎の前に立つ。
空兎が顔を上げた。
「何か言いたそうだね?」
「あぁ、何故、来た? いや、何故、降伏した?」
「何故って……」
「俺がお前なら、捕えられた仲間なんか捨て置く。本当に目的を果たしたいなら躊躇わずな」
「………」
灰山のその言葉を、空兎は睨みつけた。
「あんたの……あんた達の叶えたい“奇跡”ってのは、そういうものなの?」
「……それが覚悟ってものだ。少なくとも、俺はそのつもりで今までやってきた」
「………」
「だからこの勝負、俺たちが勝った。所詮、お前らの叶えたい“奇跡”の覚悟なんて、生半可なものだったってことだ」
その瞬間、空兎の頭にカッと血が昇った。
「ふざ―――」
「ふざけるなっ!!」
空兎が感情の赴くままに溢れる言葉を口にしようとした言葉と、仙太の叫びが重なった。
一番驚いたのは空兎だった。
仙太がそのことに気づいていないのだろう、灰山に向かって捲くし立てる。
「覚悟が生半可なんて……勝手に決めるなよっ! 生半可な気持ちでこんな戦争みたいなことするわけないだろう! 純粋に叶えたい“奇跡”に重いとか軽いとか、強いとか弱いとかないよ! けど、それと同じくらい譲れないものもあるから……だから空兎はこうしてみんなを助けようとして―――」
仙太の必死の訴えは、うんざりした様子の灰山の拳銃によって中断させられた。
「悪いが…そういった綺麗事は、忘れたんだよ」
「っ……!」
目の前に突きつけられた拳銃に仙太の全身が強張る。その引き金はいつ引かれてもおかしくない。灰山のほんの気まぐれでも。
その時。
少し離れたテントが突如、炎上した。